ユニクロや今治タオルのブランディングで有名な佐藤可士和さん。
今や贈答品の定番ともなっている今治タオルのブランディングを佐藤可士和さんが担当された時のお話は
これぞ「問題発見力」だ!と感じます。
今治タオルは1990年を境に安価な海外ものに押されて2009年にはピークの1/5ほどに売上が激減していました。
もともと今治タオルは先に糸を染めて織っていく「ジャカード織り」によって細かい柄を織れるのが特徴でした。
おそらく今治タオル工業組合のみなさまは可士和さんにカラフルで素敵なデザインを期待していたのかなと思います。
しかし、可士和さんは「白いタオル」+「ロゴ」をアイコンにブランディングをされました。
タオルの本質は「吸水性」だと考え、それを伝えるために不要なデザインを削ぎ落としたわけです。
予想通り「白いタオル」に多くのメンバーが難色を示したそうです。
なぜこの決断ができたのかといえば、ある一面から言えば、可士和さんが「職人の視点」「つくり手の視点」ではなく「ユーザーの視点」や「外国人の視点」からタオルの本質を探ったからだと思います。
「白くてふわふわで高品質な日本製のタオルは世界でも喜ばれる」と。
逆に言えば、今治タオルには、世界に通じる確かな品質があったのに今治の方々は、その品質は当たり前だと考え、灯台下暗し的に気づいていなかった、ということが問題だったと言えると思います。
ここで「問題」について整理します。
■もともとあった問題:
「安価な海外品に押されタオルが売れない問題」
↓
★発見された問題:
「今治タオルの持つ世界に通じる魅力を、つくり手が自覚していない問題」
となります。
その問題に気づいていたから、みなの反対を押し切って、このようなブランディングができたのかなと思いました。
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