BRANDING MAGAZINE
ブランドディレクターの八幡です。
このブログでは、コロナで大変な思いをされている事業者の方を、ブランディングの力で応援をしたいと考え、これまで書いてきたメルマガから、その内容を抜粋し紹介しています。
前回は、気仙沼ニッティングという小さなブランドの話をしました。
本日はその続きです。
高価でも売れるブランド
なぜ、15万円もの値をつけているにも関わらず多くの人がそのセータを買いたいと思うでしょうか?
高価な素材をつかっているから?
時間をかけてつくっているから?
もちろんそれも一理ありますが、そこにはブランディングの力が働いていると感じています。
前提として、そもそもブランド力の高い糸井重里さんが運営する「ほぼ日」のプロジェクトであったこと。
さらには、震災復興という共感性の高い取り組みであったこと。
この2つの要因が、ブランドの価値を高めていることは言うまでもありません。
本日は、それ以外の要因を探ってみたいと思います。
くまモンをデザインしたクリエイティブディレクター水野学さんは
「ブランドとは“らしさ”である」
と言われています。
「あの企業らしいな」
と感じる
「みんなの頭の中にあるイメージ」とも言われています。
この「らしさ」にこそ秘密が隠されている気がします。
「らしさ」とは言い換えれば「本質的な魅力」のことです。
「らしさ」が生むもの
「気仙沼」=「東北」
というイメージは多くの方が持たれていると思います。
では「東北」といえば何を思い浮かべますか?
「田舎の風景」や「おばあちゃん」
を浮かべた方いませんか?
これこそがみんなの頭の中にあるイメージです。
そして、「東北(気仙沼)でつくられた手編みのセーター」
と聞くと、
「田舎のおばあちゃんが夜なべをして編んでくれたセーター」
そんな懐かしさとあたたかみを感じてしまいます。
きっと「やさしくてあたたかい愛情たっぷりのセーター」のはずだと、
勝手にイメージしてしまいます。
さらには、世界でひとつだけのオーダーメイドセーターです。
自分のためだけに編まれた愛情たっぷりのセーターに
「一生捨てられない宝物」
といったイメージを持つ方も多いのではないでしょうか?
「日常的に着まわす普段着」
ではなく「生涯大切したい宝物」と。
だからこそ15万円を出す価値があると感じるのではないか?
私はそう考えます。
小さい会社でありながら本質的な魅力を引き出したブランド、それが「気仙沼ニッティング」
であると言えます。
「デザイン」と「ストーリー」の魅力
ホームページを見ると最初に強い印象を感じるのが「ロゴマーク」のデザインです。
やさしい手編み感が見事に表現されています。
さらにセーターそのもののデザインも、細部にこだわりを感じかわいらしいものとなっています。
というわけで、第二の魅力がその「デザイン」です。
さらには創業者の「おもい」や立ち上げの「ストーリー」が魅力をさらに深めます。
これが第三の魅力。
若い女性経営者の御手洗社長は東大出身で、世界的なコンサル会社マッキンゼー・アンド・カンパニーにも勤務していたエリートです。
そんな彼女が震災復興のために一身を捧げて立ち上げた「気仙沼ニッティング」のブランドストーリーに多くの人が共感をしました。
以前のメルマガでアーティストのファンづくりの例でも説明した「おもいを伝える」大切さをここでも感じることができます。
「らしさ」「おもい」
「素敵なデザイン」
この3点セットによって私たちは心を鷲掴みにされてしまうのです。
このセーターを着た人が気仙沼ニッティングの素晴らしさを熱心に口コミしたり、メディアがこぞって取り上げたりする様が容易に思い浮かびますね。
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「らしさ」「おもい」「素敵なデザイン」は最強のブランディング!
では、またの配信をお楽しみに。
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